2010/04/02

日本出国〜フランス到着


この15時間ほどの長旅の最中も色んな事が。

まず30日出発前日の深夜。
荷物をパッキングしていた僕は悲しい事実に直面。
なんと作っていた模型をスーツケースに入れた時点で重量制限の20キロちょうどくらい。
そのあとフランスの友達やお世話になった人にあげる為の日本酒とかを優先的に入れて
手荷物カバンも総動員しても自分のものや、
親がいっぱい買ってきてくれたさとうのご飯はとかはほとんど持って行けず。
ほんとコイツにはこの1ヶ月の全てをもってかれるなぁ。

しかも、模型の全てがスーツケースに入らず、一部真ん中のテーブルになる部分を手荷物カバンに入れる事に。
このチョイスが後で大変な事を引き起こすことに。


成田空港には早めに着き、荷物検査を受けると係の人が
「この荷物だけもう1回通していいですか?」と言ってきました。
僕は持ち込みがダメな液体類、金属の物なんかはあらかじめ
預け用のスーツケースにいれておいたので全く何が問題なのか見当もつきませんでした。
係の人は荷物をバラバラに分けて何度も機械に通して行き、ついに犯人が判明。
僕が作った模型のテーブル部分だったのです。
といってもシナベニヤを切って張っただけなので確かに怪しいですが引っかかる事はないはず。

係の人が指差す画面を見ると、なんと板の真ん中にめちゃめちゃ怪しい鋭利な金属の影が!
板の中になんかある!
これ客観的にみたら完全にテロリストじゃん!

僕はいろいろ言い訳しました。ただ買ってきた板を切っただけで何も知らないと。
職員もいっぱい集まってきて、他の旅行客はとっくにいなくなりました。時間もぎりぎり。
最後は一番偉いらしき人がきて、「いいでしょう」と彼の判断で飛行機に持ってける事になりました。

にしてもひどいワナと運のなさ。
合板だから工場でなんか混入したのだろうと思いますが、
なぜ広い板部材のそこの40×40センチを使い、なぜこのパーツだけ手荷物に入れてしまったんだ!

しかもさらに運の悪い事に、乗り換え地があの全身丸裸スキャンで有名な
アムステルダム、スキポール空港ですよ。
まずパスポートチェックの人からして「なぜフランスに行きたいんだ?」とか
「フランスで何をやってるんだ?」とか恐い口調で聞いて、それからやっと判子を押してくれます。
他の国はだいたい「ハロー」ぐらいしか言わないでポンと押してくれるのに。
これ英語分かんない人だったらどうすんだろ。しかも日本人だからいいけどもし自分が中国人とかだったら
もっと厳しく聞かれそう。(こういう場面で日本人は信頼されているからお得)

で荷物検査。案の定引っかかる。何度も通す。係の人集まる。これが怪しいと判明。
そして僕の所に聞きにくる。僕はそれは分からないけど、成田でも同じ事があったということ
これは怪しい物じゃなくて、自分で作った作品の一部だと言う事を説明した。
再び奥の方で会議。オランダ人みんなでかい。なんかノコギリで切るジェスチャーしてる。やばい。
で再び聞きにくる。僕は自分がフランスで留学生として勉強してる事、今回の帰国の目的、
4月にイタリアで展示会がある事など、ほとんど全ての事を話した。
最初は完全にテロリスト扱いだったけど、徐々にまいっか的な空気になってきた。
最後は「Can we cut it?」「No」「I'm joking hahaha!」と笑えないジョークで通してくれた。
しかしいきなり来たなーサバイバル。一ヶ月間も日本とゆー、ぬるま湯に浸かってしまったけど
ここからは全部自分の力量次第だとあらためて実感。気を引き締めて行かないと。

でもやっぱりオランダは働いてる人もお客さんも、でかい声で鼻歌歌ったりして楽しそう。
空港内も職員はセグウェイでノリノリだし、サインとかもかっこいいけどちょっとかわいい感じ。
日本みたいに上に確認とかもしないしね。やっぱ海外で働きたいな。

オランダ〜フランスでは、日本マニアのフランス人おばちゃんに遭遇。
フランス人には珍しい流暢な英語を操り、日本の旅の思い出を話しまくってきた。
飛行機の席は一列違いだったのに、「ここ空いてるから来なさい」と隣に来させられた。
彼女が言うにはフランスは日本に学んでばっかりだという。
全てがアーティスティックで美しいらしい。
そして全てがオートマチックで全てが近代的だという。
ファッションもフランス人はコピーしてるらしい。
特に盛り上がっていたのは日本のトイレの話。
「座ると最初から暖かいのよー。隣にはボタンがあって押すと音楽が流れるの。」とか
「最後は水で洗ってくれて、まるで王様になった気分だったわ。」
と隣にいたチリ人に熱弁。

確かにフランスのトイレの汚さはハンパないと思ったけどそこまで感動するとは思わなかった。
僕は聞きながら「そんな事ないよ」と言い続けてると、「私の夢を壊さないで」と言われてしまった。
彼女は僕が行った事のない築地市場やメイドカフェなども行っていて最後は軽く日本の事を教わった。
築地市場の移動が決定していたなんて、きっとこのおばちゃんに会わなかったら知らなかっただろう。
最後に連絡先を交換。彼女はなんと住所まで書いてくれた。困ったらいつでも来なさいと。
暑苦しいフランス人らしいおばちゃんでした。


コンピエーニュに着いたのは現地時間の夜12時ぐらい。最終電車で。
駅からタクシーしかないのだけれども、タクシーがない。
町に5台ぐらいしかないくせにいつも好きな時にしかタクシーやってないから計画的に利用はできない。
でも僕の他に二人待ってる人がいて、その人に聞いたらこれから来るらしい。

それでタクシーが来て、お客が三人いるけどどうするってなって
まぁ寒いからみんな乗っちゃおうみたいになって、簡単に相乗りになった。
方向もばらばらだったけどなんかそんなのあんまり問題じゃないらしい。

なんだかこういうのって暖かくて人間的で好きだと思った。
初対面でも助け合うし、働いてる人も商売とかあんま関係なく適当で楽しそうにやってる。
僕がフランス語あんまり喋れてなくても、おかまい無しでガンガン話しかけてくる運転手。
日本と違ってクルマはボロいし、ドアも自動じゃないけどいいですね。
仕事に対するコンセプトが日本と違うんだろうなー。

そんなこんなで一ヶ月ぶりにフランスの部屋に戻ってきました。
そして時差ぼけで夜中に起きてしまいこれを書いています。
日本着いたときは時差ぼけ全くなかったのに。ヒマだから時差ぼけの相手ができるのかな?
これからまた4ヶ月弱。何を得て帰ろうか。
何度もあるチャンスじゃないので、とりあえず楽しんでいく事にします。




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