2010/02/13

日本を想う日々


あと2週間ちょいで帰国です。いやーめちゃめちゃ楽しみ。
日本にいるときは日本の快適さなんて考えもしてなかったけど
今のフランスでの暮らしと比べるとあり得ないぐらい楽だったと思います。
24時間365日お店が開いてるなんて、交通機関のストライキがないなんて、そして日本語が通じるなんて!!

楽すぎる。

さて、今日僕が今日書こうと思ってるのは日本のアニメです。
僕は日本にいる時、全くと言っていいほどこのアニメ/マンガ文化に乗れていませんでした。
エヴァすら見た事なかったし、ジャンプとかも全く見てませんでした。
ワンピースは昔、十何巻まで集めて、最新刊に追いついてやめてしまいました。
まぁそんな感じで嫌いでもないけど、特に好きでもないって感じでした。
別にオタクとかそういうものに偏見とかが会った訳じゃなく、ただ単に忙しくて
アニメ見る時間があったら作業したいとか寝てたいとかって感じだったと思います。

ところがそんな僕が最近、日本のアニメを見るのにはまり始めました。
エヴァも見たし、秒速5センチメートルも見たし、アフロサムライ、銀魂、
20世紀少年、今日はもののけ姫を見ました。
単純に日本にいる時より忙しくないってのもあると思いますが、理由は他にもあります。

僕はこうやってフランスに暮らして、フランスのカルチャーもいろいろ体験して、
ヨーロッパの隣国は結構いっぱい旅行もしたんですけど
日本のアニメみたいのは絶対ヨーロッパからは生まれてこないなと思ったんですね。

ヨーロッパはどの美術館や博物館行っても、王族の文化・美術、または戦争関係がほとんど
そういった下地の上にフランス人は映画を作ります。歴史や時代の流れみたいのは完全にムシしません。
だからフランス映画は大体なんかあんまりハッピーって感じじゃないです。ちょっと皮肉臭い。
それはそれでとても素晴らしいですが、僕はそういう日本との違いみたいな所にすごく興味があります。

日本のアニメ・マンガはもう既に芸術として世界で認められていますし、僕もほんとそうだなと最近思いました。
完全にヨーロッパ人になるにはほど遠いけど、ヨーロッパ人が日本のアニメを見たときの衝撃は疑似体験的に少し分かります。
僕はそういう感じで、「これは外国人はびっくりしただろうなー」と思いながら見るのが好きなのです。


映像の美しさ、ストーリー、世界観。
この3つは特にヨーロッパの人にとって衝撃的だと想像します。

最近のアニメは本当に映像がキレイです。どのコマでストップしても絵になる感じ。
ヨーロッパでアニメ文化が生まれなかったのは、
この日本人の「1枚1枚の絵を全力で書く」という事ができなかったんじゃないかなと思います。
マンガもそうです。1コマ1コマ全部ビッチリきれいな絵が描かれています。
きっとヨーロッパ人は「1コマ1コマ全部きれいに書くなんて現実的じゃないし不可能だよ」
って最初思ってやんなかったんだと思います。
それを日本人は躊躇なく始めて、熟成させてきた。それが今世界の目に触れて驚かれてる。
調べた訳じゃなく勘ですけど。なんかそう感じました。

ストーリーも驚くほど作り込まれています。
これはなんでなんだか、想像しかねますが、きっと日本人の「作り込み精神」がやはり働いてるのでしょうか。

世界観は日本のアニメがものすごく優れているところだと思います。
海外では「侍もの」とか「ロボットもの」とか分かりやすい日本的なものがやはりヒットしていますが
外国人からしたら「東洋の東の果てでこういう文化があったんだ」と驚く所なんだと思います。
歴史ものじゃない普通のアニメでも、ふとした食事のシーンや住宅の様子、電車のシーンとか驚くと思います。
日本人は日本の事、あまり歴史を大事にしてる国だとは思ってませんが、
フランス人はみんな日本の事を「歴史を大事にしながらも最先端のものも大事にしてる国」だと言います。
僕はこれを聞くたびに、京都のお寺とかの事言ってんのかなと思っていましたが、
きっとフランス人が言っているのは、こういうアニメの中とかに封入された古い日本文化を
現在でも日本人は普通に見てる(知ってる)って事なんじゃないかなと最近思いました。

SF的なもの未来的な世界観も日本のアニメは素晴らしいです。
これは少し宗教が関係してると思います。
フランスは基本キリスト教だから、ロボットが人間の代わりをしたり、
生き物のような物を人間が作るのはあまり良くありません。
だからこの辺は割とノータッチです。でも宗教の違いはもちろん理解してるから
日本からそういう世界観が輸入されたとき「おー!」となったんだと思います。

日本はアニメの世界だけじゃなくロボット技術もものすごく進んでいます。
これからはロボット技術もニュージャパンカルチャーとして世界に輸出されると思います。

僕はこれらのアニメを日本語ネイティブで見れるって事が
実は世界的にものすごく価値のある事なんじゃないかなと思って最近見ています。
今度また別に書こうと思いますが、言語と価値観・文化は密接に繋がっていると思います。
言葉を理解しないと、その奥にある価値観、思想みたいのは到底理解できないと思います。
特に日本に限らず、アジアの言葉はアルファベットの言葉と互換性が悪いです。
フランス語の授業もいつも下のレベルの方に溜まってくるのはアジア人です。

銀魂ともののけ姫はフィンランド人からもらったので英語の字幕がついていましたが、見ていて
「そう訳しちゃったかー」って場面がいくつもありました。
銀魂は言葉遊び的なギャグは全部消去だし、もののけ姫に至っては八百万の神の価値観が前提なので
これで理解できるのかな?という感じでした。
だから日本人に生まれた特権、アドバンテージとしてこれからもアニメを楽しまさせて頂こうと思ってます。

アニメの事でこんな長く文章書くとは思わなかった!時間ない人すみませんでした。




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