2010/06/22

シルブプレ


って「S'il vous plaît.」と書くんですが、直訳すると
「もしあなたがそれを気に入ったら」となります。

なんと回りくどい。
英語に訳すと「Please」日本語では「お願いします」と訳されますが
絶対全部同じ気持ちで言ってないよなぁと思います。

日本語で丁寧に謙虚にお願いしたいときは
「すみません、ほんとお願いします」みたいな感じで
へりくだって感情を入れた口調で言ったりして
丁寧感というか真面目にお願いしてる誠実感みたいのを滲ませたりするけど
同じ口調で「S'il vous plaît」と言うと、意味を考えるとなんかおかしい感じです。
そうなると、丁寧というか相手の意向を最も尊重してお願いしたい時は
すました感じで、別にやってくんなくても僕は全然平気なんですけど・・・

しるぶぷれ

というのが一番丁寧な感じになるのかなぁとか考えたりしてます。
有名な茂木さんがどこかで、英語で話す自分と日本語で話す自分は
同じ状況でも言う事が違う。別の人格の人間だ。
みたいなこと言っていたけどすごい良く分かります。

物事に対するリアクションとかも日本語のやつそのまま訳せないから
結局フランス語用のリアクション、英語用のリアクションて別々に覚えて
それが使えるタイミングで使うってなると、もう反応する事柄すら変わってくる。
新しい自分ですね。
言葉を学ぶって事は、その国が長年積み上げてきた価値観や
文化みたいなものを自分の中に取り込む事のような気がして楽しいです。

あと安西さんのブログにも昔書いてあったけど
フランス人が何かをお願いする時に語尾につける
Si tu veux.「シチュブ」(もしあなたがやりたければ)ってのが慣れない。

「あっ、うち来る時あれ持ってきて!シチュブ。」
とか言われると、一瞬「おれが持っていきたいんじゃないよ。」
と思ってしまう。これがフランス語で最も丁寧な頼み方だって知ってても。
きっと相手の意思を尊重して、選択の全権利をあなたに委ねますって言うのが
彼らにとって最も丁寧な言い方なんでしょう。
これが自然に言えるようになった時、僕はようやく
フランス人の価値観を吸収した事になる気がします。




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