2010/05/14

フランスのデザイン


もう5月も中旬。
今日先生に言われて、残りの研究計画を立ててるときに気づいたけど
残りの留学生活がすごい短い。
7月中旬に帰ると計算してあと10週!!!
週で数えると短さをすごい実感する。
まじかぁ。もう終わりかぁ。

そんなわけで今日はこっちに来て感じたフランスと日本の学校でのデザインのやり方の違いみたいなのをまとめてみたいと思います。
僕は今履修してるのも入れて今までデザイン系の授業は4つ履修しました。(一個はついて行けずドロップアウト)
決してフランス全体のデザインの事もこの学校全体のデザインの事もちゃんと知ってるわけじゃないんですが、少なくとも僕の受けた授業でのデザインの進め方は日本のそれと少し違うと思いました。

一言で言うとフランスのデザインはすごい論理的。
ちゃんと調査をして、結果を分析して、話して話して話して・・・
コンセプト決めてアイデア出しながらの話して話して話してーの・・・
とりあえずディスカッションが熱い!長い!
こっちの学校ではアウトプットでモノを作ってみせるというよりも
自分たちで調査して立てたコンセプト、そこからどういうアイディアに落とし込んだか、またどうしてそのアイディアが生まれたのかをちゃんと説明する事に重きが置かれている気がします。

論理的なプロセス
調査をしてコンセプトを立ててからアイディア展開という流れは変わりませんが
面白かったのが僕の班でやったアイディア展開の仕方。
まずボリュームの面から見ると大、中、小というのがあります
次に形の面で見るとまるっこい形、角張った形、複合体とあります
さらに入力の仕方で見るとボタン、ダイヤル、タッチパネルがあります
さらに・・・
っていう風に色んな視点から自分たちの作ろうとする物を分解してアイディアを出してそれをマトリクスにして全組み合わせを描いてみる。例えば上の例で行くと、「大の、角張った形の、ダイヤル方式」で一個。
すごい論理的な気がしますよね?
まぁ最初の部分のアイディアを出すところで若干主観的な決め方をせざるを得ないんですけど、この手法は漏れなく全パターン出して検討するのが目的というよりも、アイディアをより多く広く展開するってのが狙いなんじゃないかなと思います。

本場のUCD
あとは日本の大学より、ユーザー中心のデザインという考え方が浸透してます。
僕の研究室はたまたまそういう専門分野というかテーマだったので、やってる事同じっちゃ同じなんですが
こっちはみんながちゃんと早い段階で紙でプロト作ってユーザーに見せに行くとか、ユーザーの体験のシナリオを作るとかとても自然にやってます。
元々UCDという手法自体がヨーロッパとかアメリカの方から日本に来たと思われるので当然のことなのかも知れませんが、僕は軽く感動しました。これがオリジナルのデザイン意識かと。
アメリカが本場な気もしますけど。。。(でもカスティリオーニとかサッパーもプロト作って試してたし!)

しつこくディスカス!
びっくりしたのは、先生に「ダメ、直しなさい」って言われてもなかなか引き下がらない。
もう先生の言ってる事9:1ぐらいで正しいよーってぐらいの状況でも負けずに言い返して行く。でも先生ももっと負けずにガーって喋って去ってく。
フランス人は子供の頃から常に批判精神を持ちなさいと教えられてるみたいですね。
相手の言ってる事は間違ってもそのまま鵜呑みにしない。あらゆる要素をぶつけてみてそれでも妥当だと思って初めて受け入れるって感じでしょうか。
僕はいつもココが一番ついて行けないポイントです。もう明らかにそっちの方がイイ!そっちで行こう!ってなってる時に「いやでも、コレコレこういう所が問題になってくるかもしれないからさぁ」と水を差し(水を差してるつもりではない)、他の人も喜んでそのもしも話についってってしまう。取り残される僕。そんなの作ってみてダメだったら考えりゃいいじゃんと、ついついいつも思ってしまいますがそれがココでのやり方なんですな。
逆になんでも試してみて、ダメだったらやり直すというごく日本人的なやり方は、彼らからすると「非効率的」に見えてイライラするらしいです。

とこんな事を感じながらやっております。
両方体験してみて初めて、僕の受けて来たデザイン教育ってこうだったんだなと
自分の根幹をなす基本的な考え方にひそむ癖のようなものを、少し客観的に見れるようになって気がします。


0 件のコメント:

コメントを投稿